2013年7月14日日曜日

Dovecot Enterprise Editionについて

2018/01/08追記:いつのまにかリポジトリにアクセスできなくなったので、問い合わせをしました。
         以下のような返信をもらいました。
         要するに一般ユーザーには、同エディションは提供されないようです。
We have done some maintenance for expired accountsbecause we no longer have webshop and we don't provide dovecot-eerepository access without valid support contract with us.

Next year we disable all accounts without active support contract withus but start providing Dovecot Communition Edition packages for free. Wesend information about this change later.


2016/01/14追記: Dovecot Enterpriseについて(2016年1月現在)という記事を追加しました。

2014/07/01追記: ライセンス更新のお知らせがこないのでサイトを覗きにいったら、今現在は$0で提供されているようです。



今回は商用版dovecotについてです。


結論から先に書いてしまうと、(あたりまえですが)サポートを必要としない限り
購入するメリットは一切ありません。

なのに何で購入したかというと、商用版にはAmazon S3やDropboxをメールボックスのストレージとして
利用するための”Dovecot Object Storage Plugin”なるものがありドキュメントだけでも
読んでみたいと思ったからです。
#実際には、1ヵ月のデモライセンスと簡素なドキュメントがおまけでついてきました


商用版dovecotの導入

以下のサイトからまずは、商用版dovecotのリポジトリへのアクセスキーを購入します。

http://shop.dovecot.fi/

するとユーザ名とパスワードがメールで送られてくるので、/etc/yum.repos.d/dovecot.repoとして保存します。
[dovecot]
name=RHEL $releasever - $basearch - Dovecot Solutions
baseurl=https://username:password@yum.dovecot.fi/default/stable-2.2/el$releasever-$basearch
gpgkey=https://yum.dovecot.fi/RPM-GPG-KEY.dovecot
gpgcheck=1

次に、以下のどちらかを選択して導入します。

・ 新規にdovecotを導入する場合
   
 # yum install dovecot-ee

・ dovecotが既に導入されていて、アップデートする場合

 # yum update 


後はいつもどおりにdovecotを設定すれば普通に使えます。


Object Storage Pluginについて

試しにDropboxにメールを保存してみましたので、手順を書いておきます。
ただし、ドキュメントがあまりにも貧弱で、自分もひとまず動作が確認できただけという
状態です。なので、この内容を試す場合はあくまでも自己責任でお願いします。


a) Object Storage Pluginに必要なパッケージの導入

# yum install dovecot-ee-obox dovecot-ee-license

b) デモライセンスの登録

ライセンスがメールで送られてくるので、/var/lib/dovecot/dovecot-license.txtと
して保存します。

c) dropboxのマイアプリへdovecotを登録

https://dropbox.dovecot.fi/

上記URLにアクセスし、dovecotがdropboxにアクセスできるように許可をします。
登録が完了すると設定ファイルとして追加すべき内容が表示されます。



d) /etc/dovecot/conf.d/11-object-storage.confの作成

 c)の手順で表示された内容をもとに作成します。

mail_prefetch_count = 10
mailbox_list_index = yes
mail_uid = vmail
mail_location = obox:%d/%u:INDEX=~/:CONTROL=~/
mail_plugins = $mail_plugins obox
metacache_upload_interval = 5 mins
metacache_close_delay = 0 min
ssl_client_ca_file = /etc/pki/tls/cert.pem
plugin {
  obox_fs = fscache 100G:/var/lib/dovecot/cache:dropbox:https://XXXXXX:XXXXXXX@dropbox/
}

pluginの設定としては以上で、後は、メールの配送用にLMTPなりをセットアップすれば完了です。
Dropboxには以下のように保存されます。









使ってみた感想としては。。

・LTMPでメールを配送するのも、POPやIMAPでメールを取得するにも非常に時間がかかるのが気になります。
 → 単に設定が悪いだけかもしれませんが、S3QLと比較すると非常に遅いです

・突然サーバが死んでもメール自体はなくならないので安心です。